オークランド散歩 リバーヘッドタバーン

2020年の前半に世界中にパンデミックをもたらしたコロナウィルス。過去には思い出すだけでも、サーズや鳥インフルなど色々な、インフルが流行ったことがあって、今回もそのくらいのつもりで、そのうちすぐに収まるだろうと思っていたのは完全に読みが外れました。

ニュージーランドは、徹底的な感染経路不明感染者の隔離政策をとり、大きなロックダウンが1回、その他にも地域限定や短いロックダウンを何度か実施し、なんとか市中感染を発生させずに、済んでいる。そのコロナ対策は、世界各国から称賛を浴びました。たしかに、今世界でマスク無しで、普通どおりに生活ができている国は、ニュージーランドくらいなものだろうと思うと、その点はほんとうに感謝でしかありません。海外に出られないだけで、ニュージーランド国内にいる限りは、今までと全く変わらない生活ができているのは奇跡だとおもいます。

しかし、このコロナによって、ニュージーランド人の行動パターンも大きく変わりました。

実はニュージーランド人は、一般的にとっても旅行好きで、特にシニアは、毎年冬になると数週間クックアイランドやフィジーなどで過ごす人も多く、インドネシアや東南アジアなども人気の旅行先。

また、家族や子供親戚が、オーストラリアやヨーロッパに住んでいる・・・という人も多く、彼らを訪ねて、数週間から数ヶ月の単位で海外で過ごす人もとっても多かったんです。

そんな層も、私達海外からの移民組で、たまには日本に帰りたい平民も、国境制限で外に出ることが出来ず、、、、コロナは、ニュージーランドに住むそうした人たちの行動を完全に変えました。

今までは、冬になるとオーストラリア人だらけだったクイーンズタウンも、ニュージーランドのファミリーが沢山来ていて、観光で成り立つ町はどうなっているのかという心配をする必要もなさそうだし、私の周りでも、「今まで一度も行ったことがないクィーンズタウンに行く」という、ニュージーランド人の知人も結構います。灯台下暗しですよね。いつでも行けると思う場所は意外に行かないもの。今まで、わざわざヨーロッパには行っても、国内の観光はしなかったんですね。

そんなわけで、私達も、今まで行ってみたいリストには入っていたけど、なかなか行かなかった近場を最近はよく散策しています。

これが意外に楽しいアクティビティーなので、ご紹介することによって、海外旅行欲求を少しでも満たしてもらえたり、また国境が開いたら、ニュージーランドに観光に来られる方の参考にもなるかも・・・・と思い、これからもキウイに愛される地元アクティビティー情報をご紹介していこうと思います。

そんなわけで、今回は、ニュージーランドで一番古いパブ、リバーヘッドタバーン。タバーンとは、いわゆるパブのことなのですが、ラテン語で「食事を提供する場所」という意味があり、イギリスでは、食べ物は提供しない酒場をパブと呼び、食べ物を提供する酒場はタバーンと呼んでいた時代もあったようなのですが、今ではほとんどのパブも食事を提供するので、違いはほとんどないと言っていいでしょうね。

そう、要するにここは、ニュージーランドで一番古いタバーンなのです。古いと言っても、1857年設立。歴史の浅いニュージーランドでは、1857年のタバーンが、ヒストリックになってしまうんですね。でも、1857年といえば、明治維新よりも10年以上前。イギリスの植民地として、白人と、原住民のマオリがお互いの立ち位置を探っていた頃で、今のニュージーランドの形になるずーーーーっと前、イギリス人が入植してきた初期の歴史的酒場=タバーンなのです。

リバーヘッドタバーンの案内には、このようなサインがあります。
『リバーヘッドタバーンは、160年もの間、人々の気分転換の場所として陽気な酒場として愛され、ここで様々な出来事や個々のストーリーが繰り広げられてきました。田舎から出てきた者、都会人、漁師、百姓、密航者、聖職者、夜中牢屋を抜け出して来るごろつき達、、、、そんな誰もがリバーヘッドタバーンに彩りを与え、ニュージーランドで最古の今日のタバーンに様々なストーリーを与えるのに一役買ってくれた人たちです。』

目をつぶると、それらの光景がまるで今でもそこにあるかのように感じられる文言じゃないですか?
ワクワクしてきました。入ってみましょう。

ここは、食事を中心に楽しみたい人向けのランディングレストランと、とにかくビールをグビグビ飲みたい、スヌーカーをしたい、ラグビーの試合を見て騒ぎたい・・・という人向けのポーテージバーの2つのセクションに分かれていて、入り口も2つあります。

今回は、私達はしっかり食事をしたかったので、ランディングレストランに入ってみました。一歩中に入ると、その歴史を感じさせる天井の太い梁、低めの板張りの天井、暖炉が目に飛び込んできて、なんかイギリスの古いパブにきたみたいな重厚な雰囲気に気持ちも盛り上がってしまいます。風の通るリバービューの楽しめるテラス席もあるので、夏はここも気持ちよさそう❤

食事がおいしいことに定評がある、リバーヘッドタバーン。フィッシュ&チップスや、バーガー、スコッチフィレなど、タバーンの定番料理に加え、昨今のイノベイティブなディッシュや、ビーガンメニューも充実しています。

私は、Maple Smoked Salmon を注文してみました。なんと蕎麦とわかめ、貝、枝豆をバターソースで和えたものの上に、カリッカリにグリルされたサーモンが乗っている一皿。お蕎麦にバターソース、、、という日本では考えられない組み合わせですが、これがうまくブレンドされていて美味しいんです。日本の常識を覆してくれる革新的なお料理、存分に楽しめました。白ワインのピノ・グリが良いマッチング。

車の運転を考えなければ、そのあとチーズセレクションやポートワインなんかも飲んでずーっとダラダラしていたい・・・・そんなレストランです。

行き方ですが、車がない人でも大丈夫。なんと、シティーからフェリーでこのタバーンまで来られるんです。むしろ、こちらのほうが楽しいと思いますよ。

Red Boat (https://www.theredboats.co.nz/)
Riverhead Ferry (https://www.riverheadferry.co.nz/)

の2社が、オークランドダウンタウンのZ桟橋から、1日に何本がフェリーを運行しているので、時間を調べて利用すると良いと思います。(川を遡上するので、潮の満ち引きの時間によって運行時間が変わるようです)ワインを飲みながら、ワイテマタハーバー内の景色を楽しみながら、リバーヘッドタバーンまでのクルーズも楽しみましょう。

タバーンのレストランは、その名もLanding Restaurantですが、クルーズ船は、このレストランの真横にランディングします。

さすが帆の街オークランド、個人のボートやヨットの所有率もとても高い街なので、個人のボートでこのタバーンに来る人も多く、「個人の船で来る人は桟橋を予約してね」っと、レストランのウェブサイトに書いてありました。いいですね❤

地元の人に愛されているこのクルーズとタバーンですが、あまり海外からの観光客向けとしては、有名ではないみたい。
ですが、天気の良い日のオークランドのアクティビティーの1つとして、是非皆さんのオークランドリストにも、1つ加えておいてほしい、そんなのんびり&美味しいアクティビティーです。

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