小さな循環の世界、コンポスト

我が家では、小さいながら畑があり、庭の隅にコンポストも置いてます。
キッチンで出た野菜の切れ端、落ち葉、刈った芝、新聞紙などの紙類、米ぬか、コーヒーカスなどをすべて、どんどんコンポストに入れていきます。結構水も必要なので、乾燥が続く時期は、水も十分かけます。
腐ったものや調理したものは入れてはだめだとか、玉葱の皮は繊維か硬いからだめだとか、色々理想はあるのでしょうが、うちはあまり気にせず、とにかくキッチンから出るゴミは、なんでも気にせずじゃんじゃん入れています。

コンポストの上部は入れるものにより、様々な匂い(ご想像におまかせします)がしますが、半年後、コンポストの下から、できた堆肥を取り出す時は、あんなに強烈な匂いを放っていた生ゴミは、芳醇な土の香りに変わっている。ほんとに微生物の力って素晴らしいんですよね。

ニュージーランドでは、オークランドなどの都会でも、庭がある家庭が多いので、ベジガーデンがある家庭がほとんど。今年は何を植えるだとか、堆肥は何を使うだとか、害虫対策だとか、、、、ガーデニングや畑に関する情報交換も実に活発です。

最近お友達の1人に聞いたTipで、コンポストに海藻を入れているという話を聞きました。海藻はカリウムや鉄分などのミネラルを含んでいるので、最高の有機肥料になるのだそうです。

調べてみると、海藻は、日本でも古代から肥料として使用されていたのですが、現代では化学肥料が一般的になり、使われなくなったようです。 しかし近年、化学肥料などの弊害により、農地はミネラル不足になり、連作障害など多くの問題が発生しています。こうしたことから、海藻肥料は、また見直されてきているようですね。

うちからも歩いていける距離にビーチがありますが、そう言えば、海岸にただ流れ着いている海藻を拾いながら散歩をしている人も見たことがあり、クリーニングをしているのかな?と思っていたのですが、コンポストの原料を拾っていたのかもしれません。

そう言えば、以前、グリーンリップマッスル(ムール貝)の養殖をしている会社の人に、こんな話を聞いたことがあります。その会社では、養殖のムール貝を引き上げる際に、様々なものが一緒についてきて、ゴミの処理もとても大変だったんだそうです。

彼らにとってのゴミとは、メインは海藻のシーウィード、そしてそこに寄生している小さな生き物、かにやエビなどの甲殻類など。シーウィード=Sea weedは正に海のウィード=雑草。またそれとは別に、すでに貝が割れていて売り物にならないものなども廃棄物として、処理されていたのですが、それらの彼らにとっての廃棄物は、近隣のフリーレンジ卵の養鶏ファームにとっては、とってもよい肥料になることがわかり、今では、廃棄物を2日ほど、天日で乾燥させてから粉砕し、近隣のフリーレンジ鶏ファームに届けているとのこと。

ムール貝ファームの廃棄物は、フリーレンジチキンの最高の自然の餌になり、また彼らが遊ぶフィールドの最高の土改良剤になります。海藻を飼料として食べているフリーレンジの鶏の卵は、葉酸、鉄、亜鉛などの栄養素がたっぷり。

1つのビジネスから出る廃棄物が、別のビジネスで飼料になる。コミュニティーがこうして循環する素晴らしい仕組みだと思いました。持続可能な社会、循環、共生サイクルの良い事例の1つ、どんどん循環のサイクルを増やしていきたいですね。

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