オセアニア、南太平洋の島々、未開のお宝固有種
ニュージーランドに旅行したことのある人は、空港の検疫が厳しくて、驚かれことがある人も多いと思います。
何が厳しいのかというと、生の食べ物(バナナなど果物などを含む)を持っていないかとか、かばんの中に入っているスニーカーの裏に泥がついていないかとか、あまりヨーロッパやアメリカでは問われないようなポイントを、細かくチェックされます。
何故こうした変わった検疫が厳しいのかというと、ニュージーランドには、ここにしかない固有の植物や動物が多く、外国から持ち込まれる外来種は、ネイティブの動植物に害になる可能性があるため、神経質なまでにチェックが厳しいのです。
なぜこんなにニュージーランドには固有種が多いのか、、、というと、地理的に、ニュージーランドは、島国で、どこの国からも離れており、ここに住む動物や植物は独自の進化を遂げてきたからと言われています。
こうした固有種は、植物ですと、例えばカワカワ、クマラホウ、ホロピト、コルなどなど、現地のマオリの名前で呼ばれており、昔から、マオリの薬学ロンゴアマオリとして、使われていたものも多くあります。はちみつで世界的に有名になったマヌカも、こうしたロンゴアハーブのひとつですね。
文字を持たなかったマオリの人たちは、口承で何世代にも渡り、こうした知恵を子孫に語り継いだと言われています。こうした知識を扱うことは、誰にでも許されていることではなく、部族の中で、慎重に選ばれた人だけが扱える特別な知識だったのです。
ロンゴアやニュージーランドの固有種の話は、これだけで語ると何日もかかってしまいますが、今日はちょっと違うお話。
話はちょっと飛んで、ニュージーランドからほど近い、南太平洋の島々。
クック諸島や、ニューカレドニア、トンガ、タヒチ、バヌアツ、サモア・・・・などは、ニュージーランドから飛行機で3時間以内で行けるところが多く、日本のグアム感覚に近い島々なのですが、これらの島々にも、それぞれ独自で進化した固有種がたくさんあるようなのです。面白いですよね。
例えばサモアなんかも、いくつかの非常に抗菌性が高い珍しい植物がありますが、これは伝統的に現地の部族では、傷などを治療するのに使われてきたとのこと。
一例を上げると、FUTUと呼ばれるサモアの花。この木の葉は、昔からサモアの人たちに、魚にあたった時など、食中毒に効く植物として、使われていたらしいです。
このサモアのFUTUは、ニュージーランドの固有種、ポフツカワ(POHUTUKAWA)にとても似ているのですが、ポフツカワの「カワ=KAWA」は、マオリ語で毒という意味で、ポフツカワは、マオリの人たちに、昔から解毒薬として、使われていたんですって。
そう言えば、お花の名前、FUTU (フトゥ)も、POHUTUKAWA (ポフトゥカワの「フトゥ」)と同じだ! などと気づいてしまったり・・・
こうしたニュージーランドやサモアの固有種の植物は、現地の伝統薬学では、効能を認められ、使われてきたものですが、現在大学などで、西洋的な手法で研究され、具体的にどのような成分が、その効能を引き出しているのか、、、今後は更に西洋的な説明もなされるようになってくると思います。
そういえば、以前日本に帰国する際に、ニューカレドニア経由のルートを使ったことがありましたが、ここにも現地でしかない珍しい植物が沢山ありました。
西洋人が入植するまで、ひっそりと独自の進化を遂げてきたオセアニアの国々や、南太平洋の島々。マヌカだけじゃない、すごいお宝がまだまだ沢山眠っていそうで、ワクワクしちゃいます。
コロナが終わったら、固有種のリサーチをテーマに、サモアなどの島々を旅行してみたいなー・・・・っと夢見てます。