チョコレートの原料、カカオのお話

チョコレートの原料、カカオの生産地は、現在ではアフリカが、マジョリティーをしめており、1位のコートジボワールで年間196万3,9492トン、2位はガーナで94万7,6323トンの生産量となっています。

対して南米はエクアドルが23万5,1828トン、ペルー13万4,6769トンとなっており、それぞれ生産量は、世界7位と8位。生産量で、アフリカに水をあけられていますが、カカオはもともと、南米の植物なのです。

紀元前2000年ごろから、現在のペルーやエクアドルなど南米ではカカオが栽培されていた記録があります。15世紀までにはカカオは貨幣として使われるほど珍重されていたのです。16世紀に入り、スペインがカカオとチョコレートをヨーロッパに持ち込むと、ヨーロッパの貴族階級は、その不思議な飲み物(当時はドリンクとして飲まれていた)に夢中になりました。

その後、ヨーロッパの人々は、カカオが、赤道を挟んで北緯20度から南緯20度までの地域で、生産可能なことに気づき、奴隷を使って、アフリカでカカオを大量生産するようになりました。カカオ生産が可能なこれらのエリアは、カカオベルトと呼ばれています。こうして、カカオの主要生産地は、アフリカに移っていったのです。

奴隷制度と深い関係のある、アフリカのカカオ生産地では、悲しい出来事が沢山ありますが、それはまたの機会にします。さて、カカオ栽培が廃れていたペルー。皆さん、ペルーと言うと、どんなイメージを持ちますか?

マチュピチュ、チチカカ湖、ナスカの時地上絵などの世界遺産は有名ですが、と同時に治安が悪い、一人で旅するのは怖い国・・・というイメージをお持ちになる方も多いと思います。

貧困から、違法コカインの栽培や密貿易が横行していた荒れた現状を改善すべく、ペルー政府は、1990年代から、これらの麻薬原料の供給を断つため、国連の麻薬管理計画に参画し、カカオ、コーヒー、茶などの代替え作物プロフラムを展開し始めました。

カカオに関しては、いくつかの農業協同組合ができましたが、そのひとつACOPAGROも、子供たちの教育、女性の社 会進出、アマゾンの再生を目的として、1997年に設立されました。当初はわずか27のメンバーでスタートしましたが、現在ではその数は2,000を超え、ペルー最大のオーガニックカカオ輸出者となっています。

ちなみに、カカオの生産量でみると、ペルーは世界8位ですが、オーガニックカカオの生産量では世界トップになっています。それまで、貧困による麻薬の密売などの犯罪が横行していたこの国は、こうして、農業の生産者が健全な教育を受け、安定した収入源を得られるようになったことにより、サステイナブルな循環が生まれ、大きく治安も改善していきました。

ポノカイで扱う、ベネットチョコレートも、ペルーのこうした取り組みに賛同し、オーガニックカカオ、その他の原料も全てオーガニック認証のある、原材料を使った完璧なオーガニックチョコレート。他にも、フェアトレード、ビーガンなどの認証をとっています。原料を安く調達するために「搾取する」サイクルでなく、「持続可能」なサイクルから生まれるサステイナブルなチョコレート。

これから始まるバレンタイン商戦。日本中の女性がチョコレートを追いかけるシーズンに入りますね。見た目やパッケージに踊らされることなく、この機会にカカオにまつわるこうした歴史に思いを馳せ、チョコレートを選んでみませんか?

Bennetto Natural Foods
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